2023年8月1日火曜日

259 進むことから安堵へ:サバティカルの中間まとめ

 4月のエッセイでは、サバティカルの目標を紹介しました。今回は、折り返し点を過ぎましたので、サバティカルのこれまでのことをまとめておきます。残された2ヶ月をどう過ごすかの整理にもなります。


 サバティカルに来て、4ヶ月がたちました。6ヶ月のサバティカルの内、7月に入った時が、折返しだったので、中間報告を書くべきだったのですが、できませんでした。以前に用意していたテーマで書いてしまいました。今思い起こせば、目標としていたことが、捗っていなかったため、精神的な焦り、野外調査での肉体的な疲労もあったようです。
 ところが、8月を迎えるに当たり、このエッセイのテーマを考えた時、気持ちが穏やかで落ち着いて思考ができていることに気づきました。心の持ちようでもあるので、はっきりした理由はわかりませんが、日常が落ち着き、仕事が捗っているためかと思いました。そこで、今回のエッセイではサバティカルの中間まとめをしながら、心境の変化についても考えていきたいと思いました。
 4月のエッセイでは、サバティカルの目標として、科学教育、地質学そして地質哲学の分野でまとめて書きました。それぞれの成果を要約しておきましょう。
 科学教育では、ジオミュージアムの1周年記念で講演会をして、その内容をまとめたものを、著書に加えるための文章化は終わっています。週刊のエッセイで西予の地質の紹介を、月刊エッセイでは、四国の調査で訪れたところを紹介しています。地質学では、テーマに沿った地域の野外調査を中心に進めていいます。それらの成果をもとに、地質哲学に関連する論文としてまとめています。
 サバティカルの成果を具体的に、本と論文、調査で区分して整理していきます。

【本】当初予定:3冊の本を執筆
 サバティカルに来る前かた取り掛かっていた執筆中の本が、2冊あったのですが、来る前にかなり粗稿はできていました。来てからは、大規模な推敲を進めることが目標でした。6月上旬までで、予定していた推敲が終わりました。9月には校正をおこなって、10月にも大学にどったら出版する予定です。申請していた研究費が採択されたので、出版が可能になりました。推敲、校正、出版のいずれもで、目処が立ったことが安堵感につながっています。
 もう一冊は、毎日書いている2つの文章を、滞在記としてまとめる予定を立てていました。月が変わったら、InDesignに文章と写真を入れるという編集作業を、毎月進めています。その作業は、1日、2日で終わりますので、順調に進んでいます。サバティカルが終わったら、PDFで出版する予定です。

【論文】当初予定:1編の論文の投稿と1編の論文の草稿を執筆
 研究計画にあった1編目の論文の目処が立ちました。これが大きな安堵感に繋がっています。ただし、紆余曲折がありました。
 本の推敲が終わりったので、2つ論文のうち、最初の方に執筆にかかりました。それまで、関連する多くの文献やデータを集めていたのですが、それらを読んで、まとめるのに時間が必要でした。しかし、どの程度の時間がかかるかの予想がまったく立ちませんでした。そのため、5月末の論文投稿の申し込みは見送り、そのときは、9月までに1編の論文とその続編の論文の草稿を書こうと考え、論文投稿は諦めていました。
 ところが、本の推敲が一段落しだした5月中旬から、文献を読み進めていきました。6月上旬になると論文の骨子が見えてきました。8月中旬の〆切であれば、論文が書けそうな見込みができました。そこで、急遽、6月中旬に論文の投稿を申し込みました。
 6月中旬から論文の執筆をはじめたのですが、当初の構成で論文を書いていくと、内容が膨大になりすぎて、終わる目処が立たなくなってきました。焦りながらも書くしかないと、毎日、淡々と書き続けていました。
 しかし、7月中旬で構成上の3分の1くらいまで書いていたのですが、論文の文字数を見ると、これまで投稿した最長の論文の1.5倍にすでになっていました。これでは、掲載不能なのは明らかでした。そこで急遽、論文を2つに分けることにしました。前半だけをとりあえず、執筆すればいいので、終わりの目処できました。8月上旬には粗稿ができそうになりました。
 論文数が増えたので、あと2編の論文の草稿を書くことになりそうです。論文を書いていると、内容が増えていき、2編になっていくことは、私の場合はよくあることです。今回もそうなりました。

【野外調査】当初予定:7回の四国各地の野外調査(私用で3回の帰省)
 サバティカル中の研究テーマを達成するための手段として、野外調査が重要でした。そのため、3泊から4泊の調査に、月に2度ほどでかけていました。その他に、週日(火と金に半日ほど)に家内を連れて、近隣を巡るようにしていました。野外調査の日程や場所の変更はありましたが、順調にこなせていました。気づいていませんでしたが、野外調査や出かけることが多くなっていたので、肉体的疲れも溜まっていて、精神的にも落ち着いて研究に向かうことができない状態だったのかもしれません。
 7月上旬で、前半の野外調査の予定が終わり、夏休みに入りました。7月から8月は暑いので、野外調査はもともとしない予定でしたので、そのようにスケジュールを組んでいました。
 野外調査の夏休みで、1月間は、調査にで外泊することなく、自宅でのんびりと過ごしています。週2回の散策だけは続けていますが、体力的にも楽になりました。淡々と研究に打ち込める気持ちも整ってきています。そんな平穏な状態が、安堵感へとつながっているのかもしれません。
 くわえて、当初、法事に関することで実家への帰省を3回を予定をしていましたが、親族が代行してくることになって、1度の帰省で済むことになりました。帰省ではなく、息子たちにあうための単純な私用による家族旅行を、サバティカル終了前にすることにしました。のんびりとした旅行になりそうです。

 サバティカルの期間、ついつい盛りだくさんの計画を立ててしまいます。前回の1年間のサバティかつでも同じように、大きめの計画を立てていました。半分くらいできればいいやと思っていましたが、5分の3程度は進みました。
 今回は前回と比べて半分の半年しか滞在できました。これが研究者として最後のサバティカルになります。それでついつい盛りだくさんになってしまいした。しかし、今回、家内を同伴しているので、家事に関しては担当してもらっているので、研究にだけ打ち込める条件になっています。
 7月最初の焦りと比べると、8月最初の今は非常に落ちついて仕事ができています。多分、残りの2ヶ月も目処が立ったという安堵感があるのだと思います。いろいろありましたが、とりあえず順調を進んでいるようです。家内の週2度の近隣の散策も、久しぶりに訪れるところばかりですが、なつかしさと新鮮が入り混じった気持ちになります。そんな余裕も安堵感からでしょうか。

・佐田岬・
暑い最中、佐田岬にいきました。
駐車場から岬の先端まで、
1.5kmほどの上り下りを歩かなければなりません。
何組かの人に会いましたが、
戻る人たちは、皆バテていました。
私もバテていましたが、
家内が予想以上にバテていたのですが、
道の駅で買い物をするときは
元気ができるようで、
キャラクターもの、食べ物など
いろいろ買い込んでいました。
暑いときに歩いたご褒美としましょう。

・四国カルスト・
暑いときは、涼しいところがいいです。
西予市には大野ヶ原という
四国カルストの延長部の高原があります。
5月と6月にいきましたが
6月は霧がでていた寒かったです。
7月末にいったのですが
下界が暑かったので涼みにいったのですが
やはり暑くてがっくりしましたが。